住宅ローンの審査で通る人と落ちる人の違いとは?

2017年08月31日

住宅ローンの審査では、借りる人の年収や勤務先、過去に延滞しているかどうかなどを中心に審査されますが、年収が高く、信頼性が高くとも審査に落ちる人がいる一方、年収がそこまで高くなく、転職して1年程度という人でも審査に通る人がいます。

住宅ローンの審査で通る人と落ちる人の違いにはどんなものがあるのでしょうか。

住宅ローンの審査で金融機関に見られる7つのポイント

国土交通省の「平成28年度民間住宅ローンの実態に関する調査」では全国1,339件の銀行や信用金庫、労働金庫等を対象として住宅ローンの融資を行う際に考慮する項目について調査が行われています。

全20項目中上位の7項目を見てみると、「完済時年齢(98.8%)」、「健康状態(97.6%)」、「借入時年齢(97.6%)」、「担保評価(97.2%)」、「年収(94.4%)」、「連帯保証(93.5%)」、「金融機関の営業エリア(89.9%)」となっています。

完済時年齢と借入時年齢、健康状態

この内、完済時年齢と借入時年齢、健康状態については審査を受ける人が住宅ローンを借りた後、継続して返済していけるかどうかを審査しています。

基本的に借入時年齢は20歳以上でなくてはならず上限は金融機関によって異なりますが70歳程度、完済時年齢も金融機関によって異なり、80歳程度が条件となっています。

(例:みずほ銀行借入時71歳未満、完済時81歳未満、三井住友銀行借入時満70歳、完済時満80歳、フラット35借入時70歳未満、完済時80歳未満)

また、住宅ローンを借りる際には原則団体信用生命保険に加入する必要があり、何らかの持病がある場合等、保険会社の審査の承認が得られなければ住宅ローンを借りることができません。

団体信用生命保険団体信用生命保険

団体信用生命保険は、住宅ローン借入と同時に加入するもので、住宅ローン借入後、債務者が死亡した場合等に住宅ローンの残債が0円になる保険のことです。

団体信用生命保険には、死亡を保障対象とした通常の団体信用生命保険の他、ガンに罹患した場合にも団信が適用となるものや脳卒中、急性心筋梗塞、その他の病気も対象とした団体信用生命保険もあります。

保障が手厚い方が審査は厳しく、通常いずれかの審査に通らなければ住宅ローンを利用することができません。

ただし、住宅金融支援機構のフラット35は団体信用生命保険への加入が任意となっているため団体信用生命保険に加入できず住宅ローンを利用できないという方はフラット35の利用も検討してみると良いでしょう。

担保評価と連帯保証

住宅ローンの審査では担保評価や連帯保証の有無も見られるようです。

金融機関が住宅ローンを貸し出す際、その対象となる土地や建物に抵当権を設定します。抵当権とは、住宅ローンの債務者が返済できなくなってしまった場合にその土地や建物を差し押さえできる権利のことで、金融機関はその対象となる土地や建物に、住宅ローンを貸し出すだけの価値があるかどうかを審査するのです。

また、住宅ローンの審査において債務者1人では返済に不安がある場合には配偶者や親等を連帯保証人にすることで審査にプラスとなることがあります。

担保評価が問題になるケース

実際のところ、通常の借入額であれば担保評価が審査時に問題にされることはそう多くありません。

住宅ローンの審査時に担保評価が問題になるケースとしては、例えば、中古住宅を購入した場合に、その住宅を建築した時には法律に適合していたものの現在の法律には適合しておらず、再建築不可となってしまう物件などがあります。

こうしたことは物件を売却したい不動産業者からは積極的に説明されないこともあるため注意しておきましょう。

年収

住宅ローンの審査では債務者の年収によって借入額の上限が計算されます。これには、主に返済負担率という項目が使われます。

返済負担率は住宅ローンを借りた場合の年間の返済額(+その他の借入の返済額)と年収との割合のことで、例えば年収が500万円の人が年間150万円住宅ローンの返済に充てた場合、その返済負担率は30%となります。

返済負担率は年収400万円以上の人で35%未満、400万円未満の人で30%未満が条件となっていることが多く、審査時には返済負担率が低い方が有利となります。

住宅ローンは年収の何倍まで借りられる?

住宅を購入される際、住宅ローンは年収の何倍まで借りられるか気になる方も多いでしょう。これは、金融機関ごとに異なりますし、同じ金融機関でも審査を申し込む時期や担当者によっても異なります。

一つの目安として、住宅金融支援機構のフラット35では年収から借入可能額を計算することが可能なので計算してみます。

例えば、金利が1.1%であれば年収300万円で2,613万円まで、年収500万円であれば5,081万円まで借り入れすることができ、前者で9倍弱程度、後者で10倍強程度もの借入が出来る計算となります。

一般的に民間の金融機関では上記倍率よりかなり低くなることの方が多いです。

金融機関の営業エリア

住宅ローンの審査を申し込む金融機関の支店等が、新しく購入する住宅や勤務先の営業エリア内にあることが条件となっていることもあるので確認しておきましょう。

個人信用情報について

住宅ローンの審査では上記のような項目の1つ1つが審査されますが、そうした審査項目の前にクリアしておかなければならないのが個人信用情報です。

個人信用情報とは、過去に金融機関等で借入した情報(銀行借入やカードローン、クレジットカード、サラ金など)が登録されているもので、普通に返済していれば問題ないのですが、延滞していたり、債務整理をしていたりすると借入が非常に難しくなります。

個人信用情報に延滞が複数回登録されていたり、自己破産や債務整理の記録があったりするとほぼ融資は不可能となりますが、それ以外にも以下のようなケースに気を付ける必要があります。

クレジットカードを複数社契約している

最近は銀行のクレジットカードだけではなく、コンビニや航空会社等にもクレジット機能がついており、複数枚のカードを所有している方も多いでしょう。

こうしたカードは利用していなくても、いつでも利用できる枠が設定されており、その枠が多いと審査にマイナスに働きます。

心配であれば住宅ローンの審査を受ける前に使っていないクレジットカードを解約するようにすると良いでしょう。

携帯の分割払いに注意

携帯の購入時には2年間の分割払いといった形で購入することが多いです。

この分割払いの額と同じ額だけ毎月の支払いから減額されるキャンペーン等もあり、支払っている意識が薄くなりがちなのですが、携帯電話の支払いを遅れて入金した場合には個人信用情報に延滞として登録されるため注意が必要です。

また、分割払いの残額がある場合には以前に一括返済しなければならないこともあります。

消費者金融の借入に注意

借入に延滞等が無く、個人信用情報に問題が無かったとしても金利の高い消費者金融等から借入をしている場合には、それだけで審査にマイナスとなる金融機関もあります。

利用している場合は可能な限り、住宅ローンの審査を申し込む数カ月前には完済しておくようにしましょう。

まとめ

ここまでご説明してきたように、住宅ローンの審査ではさまざまな項目が見られます。

年収は返済負担率という指標で見られますが、年収が十分に高くとも借入時や完済時の年齢、健康状態、個人信用情報といった項目で審査に落ちてしまうケースもあります。

金融機関が審査時にどのような項目を見ているのかを理解し、不安な項目があれば審査前に有利な状況となるよう準備を進めていくと良いでしょう。