注文住宅を建築する際に最近よく耳にする構造計算とは一体何でしょうか。今回は注文住宅の安全性を確かめる構造計算について説明します。
構造計算とは?
構造計算とは、建築物には構造躯体や屋根、床などの「固定荷重」、人や設備の「積載荷重」、地震が起きた時にうける荷重など様々な力がかる力を計算で割出し、建物が安全かどうかを確かめることです。
また一般的には許容応力度計算という3階建以上を建てる際に必要な計算と、2階建を建てる際にある程度の構造的検討を行うことができる「壁量計算」や「N値計算」などの簡易的な計算にわけることができます。
最近では耐震等級を取得する住宅も多いため、2階建でも許容応力計算をおこなうケースも増えてきています。
構造計算が不要な注文住宅が存在する
建物の安全を確かめる方法は「構造計算」しかないのが現状ですが、日本で住宅を建築する際に構造計算が必要でない場合があります。
木造2階建以下の住宅は構造計算が必要ない
木造2階建以下の住宅、いわゆる「4号建築物」は建築する際に構造計算書の提出は必要とされていません。木造2階建て以下の住宅は建築士が設計した場合は構造計算をする義務はないとされています。
4号建築物とは、木造住宅で2階建以下、延床面積500㎡・最高高さ13メートルもしくは軒高9メートル以下の建築物になります。日本全国で建築されている2階建の木造住宅はこの4号建築物に分類されます。
プレハブ住宅は構造計算が必要ない
もう一つ構造計算の義務がない建築物があります。それが「プレハブ住宅」です。プレハブ住宅は小規模な住宅なので構造計算が必要ありません。
プレハブ住宅はパナホームや、大和ハウス、積水ハウス、旭化成ホームズなど、国内の大手ハウスメーカーが得意とする住宅形式です。
プレハブと聞くと工事現場にある簡易的な建築物を想像されるかもしれませんが、それとは少し意味合いが異なります。プレハブ住宅というのは日本で開発された住宅で、工場などである程度パーツを生産、加工して、それを現場で組み立てる工法になります。
現場での作業が少なく、品質が一定以上保たれやすいという点が特徴です。そして何より特徴的なことが、国土交通省からの大臣認定を取得しているということです。この大臣認定とは、あらかじめ構造計算をしたり、あらゆる実験をすることにより、住の商品化を進め、認定内であれば、時間のかかる構造計算を省いたりすることができるというものです。
大手ハウスメーカーでは着工数も多く、生産性を考慮して、この「プレハブ住宅」が多く出回っています。
構造計算にかかる費用
住宅の安全を確かめる為に必要な構造計算費用は、建物によって変わります。
30坪前後の木造住宅の場合にかかる費用は、構造図と構造計算書で20万円~30万円が相場です。
RC壁式という沖縄などでよく用いられている住宅の場合にかかる費用は、構造図と構造計算書で40万円が相場です。通常のRC構造の住宅の場合にかかる費用は、構造図と構造計算書で50万円が相場です。鉄骨造も50万円が相場となっています。
また規模が大きくなり、構造計算適合判定の必要な建築物になりますと、それぞれ20万程費用が加算されます。
木造住宅 | 20万円〜30万円 |
RC壁式 | 40万円 |
RC構造 | 50万円 |
鉄骨造 | 50万円 |
まとめ
構造計算をすることで注文住宅の安全性を証明することができます。
注文住宅を構造計算をして安全性の高い住宅を手に入れましょう。
参考リンク:
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